初めてSharePointを学ぼうとしている人、SharePointの導入に向けて社内評価を始めようとしてい人。こうした方はSharePointの独自性に戸惑うかと思います。MS社のサーバ製品を数多く経験したエンジニアの場合、SharePointの”クセ”や”独自性”に苛立つかと思います。他のMS社製品であれば「初めて触ったけど、何となく分かる。」「適当にいじってたら使いこなしていた」といった経験をされているかもしれません。しかし、SharePointは独自性が高く、他のMS社製品とは全く違う操作感、独自用語が続出しますので、経験豊富なWindows系エンジニアであっても、学ぶ範囲が広くて戸惑うかと思います。

私の経験則ですが、初めてSharePointを学ぶ上で大切な事は「習うより慣れろ」かもしれません。エンジニアとしては、自分でサーバ環境を作り、コンテンツを作ってみて”慣れる”事を優先として始めた方が良い気がします。SharePointのサイト一つ作る事も無いまま、丁寧にSharePointのアーキテクチャーから学び始めると、途中で飽きてしまうかもしれません。また、MS社の魅惑的な宣伝を過信して「SharePointは、全ての問題を解決してくれる魔法のソリューション」という、(ありがちな)誇大妄想に陥り、現実にそぐわない提案を顧客にしてしまうかかもしれません。このような事にならない為にも、取りあえず理論は後回しで「SharePoint上でサイトを作る事から始める。理論と専門用語は後から付いて来る」的な始め方が良いかと思います。

今回、このブログで「超基礎的なサイト構築手順」を紹介したいと思います。初めてSharePointを触ったエンジニアでも分かり易いよう、SharePoint独自用語は極力避け、画像を多めに入れて取り組み易いように心がけました。このブログを手始めにして、より実践的で高度なサイト構築方法を独自に習得し始めるキッカケになれば嬉しいと考えています。

■このブログで紹介する事

ここでは、SharePointServices3.0(以下SPS)でサイトを構築する手順を紹介します。SPSはMOSSに比べて機能範囲が狭いので取り組みやすく、OSライセンスがあれば使用出来ます。よって、”取りあえず作ってみる”という気軽さで始めたいので、SPSでサイトを構築します。

SPSでサーバを作ると、以下のような初期画面になるかと思います。初めてSharePointを触った人は、この画面を見て「。。。。で、何?」と思うかと思います。これをプロジェクトワークにおける、情報共有を目的としたサイトに変えてみましょう。

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シナリオ:社内にて、SharePoint導入を検討するタスクフォースが発足。言い出しっぺである、情報システム部のジョニーS氏へ与えられた使命は「時間も予算もかけず、SharePoint環境を用意して習得し、適切に評価せよ。勿論、予算0円で頑張れ。」ジョニー氏は、他の業務も抱えているので時間もかけられない状況。しかし、評価の結果、導入検討が本格化した場合、社外ベンダーへMOSS導入の提案依頼を正式にかける予定。もし、正式にMOSS導入プロジェクトが発足するとプロジェクト予算は高額になる見込み。よって、社外ベンダー提案を適切に評価・判断する為にも、SharePointの基本を習得する事は必須である。

ハードとライセンスの準備:情報システム部の片隅に未使用で転がっていたワークステーション(8万円)。管理者も決まっておらず部内では「野良サーバー」と呼ばれていたので、これにSPSを導入する事にした。スペックも悪くないし、習得と評価は数名で行うのみ。このワークステーションで十分である。SPSであればOSライセンスで利用出来るのでコストもかからない。厳密に言えばサーバOSのライセンス費が必要であるが、情報システム部として余るほどOSライセンスは持っているので問題無し。

コンテンツ作成:同じ頃、社内のExchaneServer2000をExchaneServer2007へ移行するプロジェクトが開始されており、プロジェクトメンバーはSharePoint評価タスクフォースのメンバーとほぼ同一。よって、SPSのコンテンツテーマは「プロジェクトワークの為の情報共有基盤」とした。Exchangeの移行作業とSharePoint習得、実践的評価を平行して進める為には必要な措置だった。

どこの情報システム部でもありがちな上記の状況を想定し、SPSによるWebサイトを作成してみます。このシリーズの結果、完成したサイトは以下のようになります。Share Point Designer2007やVisual Studioを利用したカスタマイズや開発は一切行わず、SPSの標準機能だけでサイトを作成しますので、見栄えや機能は寂しいのですが「取りあえず、作ってみる」を目的としていますのでご了承下さい。

 

■完成イメージ(トップページ)

プロジェクトメンバーへの連絡やガンチャート、進捗リスト、予定表などを配置します。ノートPCで見た場合でも、重要な情報がスクロールしないで観れるような配置を行います。

無題

■完成イメージ(ドキュメント格納用サブサイト)

プロジェクトワークでは、各種ドキュメントを共同で作成、更新する作業が発生します。プロジェクトに関するドキュメントや資料については、ポータル上にまとめる事で探しやすく、管理しやすくなるかと思います。そこで、ドキュメント用のサブサイトを作成し、ドキュメントと技術資料などを格納します。以下は完成イメージです。

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■トップページコンテンツ紹介(バーナー、お知らせ、タスク)

・バーナー:画像ファイルなどで作成して配置します。無くても良いのですが、Webサイトに画像が存在しないと全体が締まらないので配置します。(私のセンスが悪くて、以下のバーナー画像はちょっと、どうかと思いますが。。。。)

・お知らせ:プロジェクトメンバーへの重要なお知らせなどを配置します。画面左上に置く事で、情報に気づきやすくします。

・タスク:重要なタスクについては”進捗度(%)”,”期日”,”担当者”が一目で分かるように配置します。

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■トップページコンテンツ紹介(掲示板、予定表、課題管理)

・掲示板:BBSのような機能です。各トピックスに対して、メンバー間で意見交換を行います。タイトルをクリックすると、スレッド式画面が表示されます。

・予定表:プロジェクト全体で、重要な予定を入力して共有します。タイトルバーをクリックすると、スケジュール形式で表示されOutlookへも取り込めます。

・課題管理:技術的な課題やユーザ折衝面での課題を入力して共有します。タイトルをクリックすると、詳細が表示されます。

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■トップページコンテンツ紹介(ガンチャート、連絡先一覧)

ガンチャート:プロジェクト全体のマクロスケジュールと進捗を入力し共有します。プロジェクトが大規模になるにつれ、自分が担当するタスクしか見えて来ず、全体的な進捗感を失うメンバーが出て来ます。そこで、マクロ的な進捗を可視化して明示する為に配置します。

連絡先:外部の協力会社やメーカーのサポート連絡先など、プロジェクト遂行上に必要な連絡先を入力して共有します。

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■トップページコンテンツ紹介(投稿写真、関連URL)

・投稿写真:メンバーが旅先で撮った写真や飲み会の写真などを掲示します。ちょっとした息抜き的なコンテンツです。

・関連URL:知ってた方が良いURL、プロジェクト遂行の為に参考になるサイトを入力して共有するコンテンツです。

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■サブサイトコンテンツ紹介(プロジェクトドキュメント、マネージメントドキュメント)

・お知らせ:格納されているドキュメントの更新情報などを掲載します。

・プロジェクトドキュメント:プロジェクト内で共有すべきドキュメントを格納します。また、進捗管理フォルダ内の更新権限はプロマネのみ、閲覧はメンバー全員可能にするなどのアクセス制御を実装します。

・マネージメントドキュメント:プロジェクトが大規模になると、社外の協力会社に常駐してもらって共同作業を行う事になります。しかし、契約書や経理関連の情報は協力会社へは開示せず、プロマネなど、管理職のみ投稿、閲覧可能とするアクセス制御が必要となります。ここでは、以下のように実装します。以下の画面はプロマネが見た画面例です。

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しかし、協力会社など、社外のプロジェクトメンバーが同じサイトを見ると、マネージメントドキュメントは表示されません。

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■SharePoint学習アプローチ案(独断と偏見)

~1stステップ~

①取りあえず、慣れる為にSharePoint Servies3.0環境にてWebサイトを自分で作ってみる(このブログ)

②ある程度、慣れて来たらSharePoint Server 2007環境にてWebサイトを自分で作ってみる。

Sharepoint Services3.0は、機能面ではMOSSをかなり縮小した物です。いきなりMOSSから触り始めるのも良いのですが、SPSはMOSSに比べて機能範囲は狭いので始めやすいかと思います。また、SPSの後にMOSSを学び始める事で、SPSとMOSSとの機能比較も容易になるかと思います。例えるならば、新入社員にはWindowsXP環境でのエンジニアリングを学ばせた後、Windows2003環境でのエンジニアリングを学ばせるようなステップかと思います。また、SPSはOSライセンスがあれば使えるので、コスト面でもメリットがあるかと思います。MOSS評価版は試用期限がありますし、実際に買うには高額ですので、コストをかけずにSharePointを学ぶ場合、SPSは有効な手立てかと思います。尚、SPSとMOSSの基本操作はほぼ同一ですので、SPSをしっかりと押さえればMOSSも比較的楽かと思います。

~2ndステップ~

①SharePointの基本的なアーキテクチャーを学ぶ

②SharePoint Designer2007でサイトをカスタマイズしてみる

SharePointに慣れたところで、基本的なアーキテクチャーを公式マニュアルなどで学びます。慣れてから学びますので、すんなりと頭に入って来るかと思います。また、SharePoint Designer2007(以下、SPD)でサイトをカスタマイズしてみる事で、SharePoint標準機能で出来る部分、SPDを使う事で出来る部分を区別出来るようになるかと思います。

~3rdステップ~

①情報の整理と構造化をSharePointでどのように実現出来るかを設計してみる

②Webパーツを開発してみる

まだまだ私も修業中なので偉そうな事は言えませんが。。。SharePointの設計であっても、ブレーンストーミングから始まる情報ニーズの抽出と整理、ペルソナを用いた情報区分化やプロトタイプによるスパイラル開発など、Webユーザビリティを意識した開発技法の基本は、商業サイトも社内ポータルも同じと考えています。この点でお勧めしたい本は「ユーザビリティエンジニアリング―ユーザ調査とユーザビリティ評価実践テクニック 」です。内容も簡易的で入り易いです。

 

2008年12月13日追記

気が付いたら、同じような手順がストリーミングで公開されていました。

以下はMOSSの手順ですが、SPSも同手順です。

http://technet.microsoft.com/ja-jp/office/sharepointserver/cc952469.aspx#adm

Microsoft Office SharePoint Server 2007 自習書 部門横断のプロジェクト型業務の活性化

  1. チーム サイトを作成
  2. ライブラリやリストを追加
  3. サイトのデザインをカスタマイズ
  4. サイトをテンプレートとして保存
  5. アイテムの追加
  6. アクセス権を設定
  7. ビューの活用
  8. Web パーツを利用してリストをポータルにコンテンツとして追加

 

 

■SharePoint基本操作(トップページ編)

SharePoint基本操作(はじめに)

SharePoint基本操作(SPS環境構築)

SharePoint基本操作(TOPページ編①)~タイトルと閲覧権限の設定~

SharePoint基本操作(TOPページ編②) ~バーナーの設定~

SharePoint基本操作(TOPページ編③) ~お知らせの設定~

SharePoint基本操作(TOPページ編④) ~タスクの設定~

SharePoint基本操作(TOPページ編⑤) ~ガンチャートの設定~

SharePoint基本操作(TOPページ編⑥)~連絡先の設定~

SharePoint基本操作(TOPページ編⑦) ~掲示板の設定~

SharePoint基本操作(TOPページ編⑧) ~予定表の設定~

SharePoint基本操作(TOPページ編⑨) ~課題管理~

SharePoint基本操作(TOPページ編⑩) ~投稿写真~

SharePoint基本操作(TOPページ編⑪) ~その他~

 

■SharePoint基本操作(ドキュメントサイト編)

SharePoint基本操作(ドキュメントサイト編①) ~サブサイト作成~

SharePoint基本操作(ドキュメントサイト編②) ~サブサイト設定~

SharePoint基本操作(ドキュメントサイト編③) ~ライブラリパーツ設定~

SharePoint基本操作(ドキュメントサイト編④) ~テンプレート化~

SharePoint基本操作(ドキュメントサイト編⑤) ~ライブラリパーツ配置~

SharePoint基本操作(ドキュメントサイト編⑥) ~フォルダ作成~

SharePoint基本操作(ドキュメントサイト編⑦) ~アクセス制御~

SharePoint基本操作(ドキュメントサイト編⑧) ~文書管理、ビュー作成~

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